教えて!AI #01 「AIって、実は昔からあるんです(AIの歩みは・・・)」


こんにちは、エージェンテックのミヤザキです。

これまでのブログではVRに焦点を当てて進めてきましたが、今年からはAIにスポットを当て、皆さんと一緒にAIの理解をより分かりやすく深めていく予定です!

今回のテーマは「AIって、実は昔からあるんです!」
という事で、AIの歴史とこれまでの進化の歩みについて振り返ってみたいと思います。

AI(人工知能)創生期

AI(人工知能)の概念誕生

「AI」という言葉が生まれたのは1950年代に入ってからですが、AIの概念は1943年に心理学者のウォルター・ピッツ氏が、人間の神経細胞の働きをコンピューターで再現する機械学習「ニューラルネットワーク」というアイデアを提唱したところから始まりました。

1950年代:人工知能の概念が誕生

1950年にアラン・チューリングが「チューリングテスト」を提案し、機械が「考える」ことができるかどうかの基準を設定しました。

その後、1956年:ジョン・マッカーシーらがダートマス会議を開催し、人工知能」という用語を初めて使用。これが人工知能研究の公式なスタートとされています。

1960年代~1970年代:第1次AIブームと冬の前兆

第1次AIブームは、人工知能研究の黎明期にあたり、主に理論的な研究と基本的なアルゴリズムの開発が中心でした。人間の論理的思考を模倣するプログラムや、簡単なパズルやゲームを解くコンピュータープログラムが作られ、将来のAIに対する期待が非常に高まっていました
しかし、その後、技術的な限界や実用的な応用の困難さから、期待された進歩が達成されず、その結果、AIに対する投資や関心が減少する「AIの冬」へと繋がっていきました。
この時期は、AIの可能性を探る多くの基礎的な概念が生まれたと同時に、実用化への多大な課題も露わになった時代と言えると思います。

1980年代:第2次AIブーム(エキスパートシステムの隆盛)

第2次AIブームは、1980年代に起こった人工知能研究の再燃です。この時期にはエキスパートシステムが商業的に成功し、多くの企業がAIに投資し始めました。エキスパートシステムは、特定の専門分野において人間の専門家の意思決定プロセスを模倣し、知識ベースを活用して問題解決を行うソフトウェアでした。

しかし、このブームも長くは続かず、高すぎた期待と実際の技術的な限界とのギャップから、1980年代後半には冷却期に入りました。「AIの冬時代」と呼ばれ、AIに対する関心と資金が大幅に減少しました

エキスパートシステムの商業化は重要なマイルストーンでしたが、複雑で変化する現実世界の状況に対応するのに十分な柔軟性と汎用性を備えていないことが明らかになり、結果として多くのエキスパートシステムは実用上の限界に直面しました。それでも、この期間に獲得された知識と技術は、後のAI発展の基盤となりました。

AIの成長期

1990年代:インターネットと計算能力の向上

より高速なコンピューターの開発とインターネットの普及により、データの蓄積と処理能力が向上。機械学習の新たな手法が登場し、ニューラルネットワークの研究が再燃しました

2000年代:ビッグデータとディープラーニング

データ量の増大とアルゴリズムの進化により、ディープラーニングが登場。画像認識、音声認識、自然言語処理など、多くの分野で顕著な成果を上げ始めます。

2012年にはアレックスネットImageNetコンペティションで圧倒的な成績を収め、ディープラーニングの可能性を広く示しましたと言われています。

第3次AIブームの到来

第3次AIブームは、2010年代初頭から現在にかけて進行中のフェーズで、ディープラーニングの技術的進歩が火付け役となっています。
この時期になると、計算能力の大幅な向上、ビッグデータの増加、そしてアルゴリズムの進化が組み合わさり、AI技術は飛躍的に進展しました。

2010年代:AIの普及

AI技術が産業界全体に広がり、自動運転車、個人アシスタント、医療診断支援など、様々な製品とサービスに組み込まれるようになり、AI倫理規制に関する議論も始まりました

2020年代:AI倫理と規制の進展

AIの進化に伴い、倫理的な使用、バイアスの問題、プライバシー保護など、多くの課題が議論されています。AIガバナンスと規制の枠組みが国際的に構築され始めました。

2020年代:AI技術のさらなる進化と応用

AIの歴史は、技術の進化だけでなく、社会的な影響や倫理的な課題に対する意識の変化も含めて、常に進化し続けています。以下に、2020年代のAIの動向を挙げてみます。

  • AIと人間の協働: AI技術が発展するにつれて、人間とAIが協働する作業環境が増えています。これにより、より複雑で創造的な作業が可能になり、労働市場にも変革がもたらされています。
  • AIの民主化: オープンソースのAIツールやプラットフォームの普及が進み、より多くの人々がAI技術を利用して新しいアプリケーションを開発できるようになっています。これにより、イノベーションが加速し、AI技術の利用が広がっています。ChatGPTもその一例だと思います。
  • AIによる持続可能な開発: AIが気候変動や持続可能な開発目標(SDGs)の達成に貢献するツールとして注目されています。AIを利用してエネルギー効率を向上させたり、資源の最適な利用方法を見つけたりする研究が進められています。
  • 倫理と規制の進展: AI技術の急速な進化に伴い、その使用に関する倫理的なガイドラインや法的な枠組みが国際的に議論され、定められつつあります。プライバシーの保護、データの使用における透明性、AIの判断における公平性が重要な課題とされています。

将来の展望

  • AIの進化: 量子コンピューティングや生物学的アルゴリズムの進展により、AIの能力はさらに拡張されると予想されます。これにより、AIは人間の脳を模倣するレベルに近づく可能性があります。
  • 社会構造の変化: AIによる自動化が進むことで、仕事の性質や必要とされるスキルが変わります。教育システムもこれに対応して変化する必要があるでしょう。
  • グローバルな協力と競争: 国際社会において、AI技術の開発と応用に関する協力と競争がさらに激化することが予想されます。特に、AI技術の軍事利用に関する国際的な規制の議論が活発化する可能性があります。

まとめ

今回は、AIの歴史として進化の歩みについて紹介してきました。
1950年代から始まったAIの進化は、現在、第3次AIブーム。
今後、AIはさらなる進化を遂げ、私たちの生活に大きな影響を与える存在になると考えています。

出展:松尾 豊『人工知能は人間を超えるか』より

おわりに

AIの存在は単なる技術の発展を超え、私たちの生活仕事、そして社会全体に深い影響を与えています。これからもその発展は私たちの倫理観、規範、そして生活のあり方に新たな課題を投げかけ続けると思います。
皆さんと一緒に、これからもAIの可能性を最大限に引き出せるような取り組みをして行けたらと思います!!

今後とも、ご支援のほどよろしくお願いいたします。

以上、エージェンテック ミヤザキでした。


筆者紹介
宮崎 裕明
株式会社エージェンテック / マーケティング部 エヴァンジェリスト

宮崎裕明

産業機器の開発20年を経て、開発のプロセス改善コンサルティングに従事。その後はスマートデバイスを活用したソリューションでお客様の課題解決支援に奔走し、VR元年から360度パノラマVRコンテンツ制作サービス立ち上げに参加する。
自身でも5,000枚以上
360度パノラマ写真を撮影してきた経験をもとにコンテンツの重要性の啓蒙活動を行い、その一環としてYouTube・本ブログにて「教えて!VR先生」を連載。
2024年度4月からは、AIをテーマにYouTube・本ブログにて「教えて!AI」連載中。
現在は、VRのプロフェッショナルとしての活動のほか、スマートデバイスのフィールド業務における活用方法など、さまざまな業界の支援へと活動の幅を広げている。

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