今から始めるDX #009「ビデオ通話を活用したリモート業務DXを考える!②WebRTC」


こんにちは!株式会社エージェンテック・エヴァンジェリストのミヤザキです。

今回も、前回に続いてビデオ通話における重要なポイントについて深堀りしてみたいと思います。
テーマは、ビデオ通話で最も重要な「すぐに誰でも簡単に接続できること!」についてです。

前回の投稿はこちらからご覧ください。

今から始めるDX #006「ビデオ通話を活用したリモート業務DXを考える!①オンライン接客」
株式会社エージェンテックのエヴァンジェリスト、ミヤザキによるDXについての解説です。今回から、「ビデオ通話」に焦点を当て、そこから考えられるビジネスのDX化を解説していきます。第1回は、コロナ禍以降注目を集めている「オンライン接客」についてです。

「すぐに誰でも簡単にビデオ通話をできる」ようにするには、どういう手段が考えられるでしょうか?

専用のソフトウェアやアプリなどをインストールして使わなければならないとなれば、まずはそのツールに慣れることが必要になります。前回お話した通り、これをハードルと感じる方も少なからずいるはずです。

この「すぐに誰でも簡単に」ということを、最新技術の背景も交えてお話していきたいと思います。

ビジュアルコミュニケーションの実現

ところで、なぜ、ビデオ通話へのニーズが高まっているのでしょうか?
オンライン接客に関わらず、さまざま分野でそう感じられます。

遠隔地とのコミュニケーション手段として、「表情」や「身振り手振り」など動きのあるビジュアルの伝達(動画、映像)の方が、テキストや音声だけのものより遥かに多くの情報量を伝えられるから、という理由が考えられます。前者の方がコミュニケーションの質も高まりますし、近年の通信回線高速化により、それらがスムーズに行えるようになったからです。

つまり、電話やメールでのコミュニケーションより、映像を介したビジュアルコミュニケーションの方が各段に効率的であり、そういった理由から必然的にニーズも高まってきているということです。

一般には「ビジュアルコミュニケーション」という言葉はまだまだ聞き慣れないものですが、これを実現する手段として、ビデオ通話の技術が注目されているのだと私は思っています。

WebRTCという技術の登場

さて、ビデオ通話を使ったビジュアルコミュニケーションの大切さは、ざっくりですがお分かりいただけたのではないでしょうか。

では、話を本題に戻しますが、ビデオ通話を「すぐに誰でも簡単に」利用するためには、これまで一つの壁がありました。
それは、「どれも専用アプリケーションをインストールして利用することが前提」ということです。前回も「オンライン接客のハードル」として言及しましたが、「Zoom」「LINE」「Skype」などはこれに当てはまります。

誰もがこのアプリを入れているとは限らないですし、利用した経験がない方も多いと思います。
ビデオ通話をするために専用のソフトウェアやアプリケーションのインストールが必要であるということは、「すぐに誰でも簡単にビデオ通話を利用できる環境」とは言い難いのではないでしょうか。

「すぐに誰でも簡単に」を実現する技術

しかし近年、WebRTC(Web Real-Time Communication)という技術が標準化されたことで、PC、タブレット、スマホと言った一般的な端末に標準搭載されているインターネットブラウザで、映像や音声などの大容量データをリアルタイムで伝送できるようになりました。
専用のソフトウェアやアプリのインストールの必要がなくなり、「すぐに誰でも簡単にビデオ通話を利用できる」環境が広がっていくことになると思っています。

WebRTCとは?

ここで、WebRTCについて少しだけお話しておきたいと思います。

WebRTC は、2013年にW3C(World Wide Web Consortium)というインターネット技術の標準化団体が提唱したことが始まりです。
その後、W3CとIETF(Internet Engineering Task Force)の2つの団体によって、誰もが開発に利用することができる標準パッケージとして、WebRTCの標準化が進められました。

そして、2021年にWebRTCはGoogle ChromeMicrosoft EdgeFirefoxSafariなど主要なWebブラウザで実装が完了し、正式な標準仕様として利用可能となったことがアナウンスされました。

今後は、WebRTCの技術でブラウザ型ビジュアルコミュニケーションを活用したさまざま製品やサービスに応用され、オンライン接客分野だけでなく、新たなサービスが続々と登場してくると思っています。

WebRTCがマッチする利用シーン

WebRTCのようなブラウザ型ビデオ通話システムの強みは、ソフトウェアやアプリケーションのインストールなしでどんな端末からでも簡単にビデオ通話を行えることですが、多人数での会議や高い品質が求められるビデオ通話には最適とは言えません
こういったパターンは、従来からあるソフトウェアやアプリを利用したTV会議システムなどの技術の方が適していると思います。

では、WebRTCの技術はどういう用途に適しているのでしょうか?

個人的には、「現場での急な打ち合せ」「初めての相手とやりとりを行う接客応対」「カスタマーサポート」など、比較的小規模な人数で、すぐに通話が必要なシーンが最もフィットしていると思います。

上記以外にも、WebRTCを利用したビジュアルコミュニケーションは、これまでの技術で実現できなかった新たな分野での活用の可能性を多く持っていると思います。

ビデオ通話を活用したサービスを検討するポイントは、従来の考え方とはかなり変わってきます。
どんな風に選考したらよいのか?お悩みの方は、弊社でもWebRTCの技術を利用した製品「LiveTaskyell」を展開していますので、ぜひ一度ご覧の上ご相談ください。

オンラインサポートツール LiveTaskyell
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まとめ

「ビデオ通話を活用したリモート業務DX」のシリーズの第2弾として、ビデオ通話を支える技術「WebRTC」についてお話しました。

今回お話した通り、「すぐに誰でも簡単に」ビデオ通話を利用できることは、オンライン接客の変革だけに留まらず、さまざまな活用シーンが想定されます。

今後も引き続き、ビデオ通話を活用したDXについて深堀りしていきたいと思いますので、ぜひお楽しみに!


筆者紹介
宮崎 裕明
株式会社エージェンテック / マーケティング部 エヴァンジェリスト

宮崎裕明

産業機器の開発20年を経て、開発のプロセス改善コンサルティングに従事。その後はスマートデバイスを活用したソリューションでお客様の課題解決支援に奔走し、VR元年から360度パノラマVRコンテンツ制作サービス立ち上げに参加する。
自身でも5,000枚以上
360度パノラマ写真を撮影してきた経験をもとにコンテンツの重要性の啓蒙活動を行い、その一環としてYouTube・本ブログにて「教えて!VR先生」を連載。
2024年度4月からは、AIをテーマにYouTube・本ブログにて「教えて!AI」連載中。
現在は、VRのプロフェッショナルとしての活動のほか、スマートデバイスのフィールド業務における活用方法など、さまざまな業界の支援へと活動の幅を広げている。

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